全体の割合で4割弱の人々が貧困を抱えつつ生活している

エルサルバドルは、中央アメリカ中部に位置する共和制国家であり、人口密度でいえばアメリカ州の中でも最高水準となっています。

ではこのエルサルバドルの経済状況は、どのようになっているのかというと、GDPでいうと2013年時点のデータで242.6億米ドルとなっており、これはラテンアメリカ全体の中では第17位に位置しています。

全世界を対象にしたランキングだと対象となっている188カ国のうち103位に位置していますから、順位的に見れば中央よりやや下として考えることができます。

ただ同年の日本のGDPが、4898.5億米ドルであったことを考えると、経済規模としては日本の20分の1程度の規模です。

現段階の経済状況として特筆するべきポイントは、やはりその貧困層の多さです。

この国の人口は約616万3千人とされていますが、そのうちの240万人が貧困層にあるとされており、全体の割合でみれば4割弱が貧困を抱えつつ生活しているのです。

こうした貧困の背景には、様々な要因が挙げられますが、特に大きな影響を与えているのがエルサルバドルという国土ではほとんどの資源が産出されないということです。

有機鉱物資源や金属鉱物資源の産出がなく、鉱業として唯一の資源となっているのが塩です。

そのため現在の経済の根幹は農業にあるのですが、その農業についても「十四家族」と呼ばれるような一部の大土地所有者が利益を独占している状態にあり、経済格差の存在が常に指摘されています。

農業生産として特筆するべきは、コーヒーであり、2002年にはその生産量が9.2万トンに達しました。

この9.2万トンという生産量は、全世界のコーヒー供給のうち1.2%を占めています。

ブラジルやベトナム、コロンビアといったようなコーヒーの一大生産国に及ばないことは間違いありませんが、それでもこの国の規模で全世界の1.2%の供給をしていたということは十分称賛に値することです。

かつてはこうした、農業よりもむしろ中米随一の工業力がある国としても知られていたのですが、1969年7月14日から19日にかけて発生したサッカー戦争や、1979年から1992年まで続いた内戦によって工業力は大きく衰退し、近隣諸国よりも遅れを見せるようになってしまいました。

また地震やハリケーンなどの天災に襲われることも少なくなく、正常な経済成長が自然によって阻害されているという側面もあります。

現在は、日本がさまざまな形で経済援助を行っていますが、この国の経済が自立して成長できるようになるまでには、まだ長い時間がかかると見られています。